玲央は大判の黒い傘を差し駅に向かった。


――イギリスの雨は嫌いだけど日本の雨は好きかもな。


なぜかそう思った。




『いつまでも引きずらないで!玲央』


母 葉月の声が耳に聞こえた。



玲央は唇をきつく噛む。



――母さん、日本へ来ても忘れられないんだ・・・・・・。