「なんで笑うの?」


「フフッ ちょっと耳貸して」


――――玲央くんが遅いって心配していたわよ。


多恵子の口元に耳を近づけると、こそっと教えてくれた。


「パパが1人増えたみたいよね~」


多恵子はにこにこしながらリビングに戻って行った。


結衣は多恵子を追ってリビングに入った。


自然と目は玲央の姿を探してしまう。


「結衣~?早く手を洗って席について~」


リビングの奥のダイニングルームから多恵子の声がした。


みんなはテーブルに着いているらしい。