「結衣」


「れ、玲央 ど、どうしたの?」


上ずった結衣の声。



「放課後、校内を案内してもらう事になったから先に帰ってて」


――誰に案内してもらうのっ?


喉までその言葉がでかかった。


「わ、わかった」


結衣は聞きたいのを我慢して頷いた。


結衣が頷くのを見ると玲央はもと来た道を引き返して行った。