「Hな事言わないでっ!」


結衣は机の上にあったポーチをリュウの顔に投げつけた。



ポーチは顔に当たらずしっかりリュウの手にキャッチされる。



リュウはポーチを机の上に置くと困ったように頭をぽりぽりかいた。






クラスの後方の出入口がにわか騒がしくなった。


機嫌の悪い結衣も自然とそちらを向いてしまう。


集まってきている女性徒より頭1個分背の高い玲央の顔が見えた。


薄ら笑顔を浮かべて結衣のクラスメートの女の子に何か話しかけている。


彼女は結衣の方を指差すと玲央の瞳とバチッと目があってしまった。


玲央はもう一度、何かを彼女に言いゆっくりと歩いてきた。


――だめだ・・・・・・玲央がカッコよすぎて・・・・・・目がそらせない。


結衣は自分の所にやってくる玲央をじっと見つめていた。