「結衣は一番だよ」


小さい頃から一緒に過ごしてきた結衣は兄弟のようだった。



小さな星羅と変わらないと思っていた。



だけど、イギリスへ行く少し前ぐらいから結衣と離れたくないって思い始めていた。



突然、イギリスへ行くって言われた夜、泣いたのを覚えている。



また戻ってこようって決めたのもあの日だった。



イギリスでいろいろあって、不本意に日本へ行ってしまったけど、変わらない結衣の事がやはり好きだと分かった。



「あたしが……一番?……本当?」



「日本に行って結衣が誰よりも大事だってことに気づいたんだ」



玲央の告白にあたしは胸がいっぱいになった。



瞳が潤み、ポロポロと涙があふれ出る。



「結衣?」



玲央の指が頬に伝わる涙をぬぐう。



「ご、ごめんね すごく嬉しいの」



「結衣……」



玲央は腕を伸ばしてあたしを抱きしめてくれた。