「ねえ 玲央、あっちの運動って何か知ってる?星羅ちゃんがプールに入るよりあっちの方がいいのにって言っていたの」


息がようやく整った頃、星羅ちゃんの言葉を思い出して玲央に聞いてみた。


「あっち?」


「うん、このお屋敷にジムでもあるの?」


そう言ってかなり喉が渇いていた結衣はごくごくとペットボトルの中身を飲んでいる。


「……」


玲央が額に手を置いて深いため息を吐いた。



「どうしたの?」



――まったく、星羅の奔放さも困ったものだな。性格は絶対に父さん似だろう。


「ジムはないよ」


「そっか~じゃあ、なんで言ったんだろう……」


首を傾げて考えている。


濡れた髪の毛はあちらこちらに跳ねていて星羅より年下に見えた。