「ぐ、具合は悪くない、痴漢に遭って――」


「ったく!なんで叫ばなかったんだよ!」


玲央が怒りをあらわにした。


「だ、だって・・・・・・」


――パニクってしまって声が出なかった。



「そもそも結衣の格好がいけないんだ スカートは短いし、ブラウスの下のブラジャーが丸見えだ」



「えっ?」


玲央と同じ水色のブラウス。


玲央の眼から見ても結衣のピンク色のブラジャーが見える。



「そんなの襲ってくださいって言っている様なもんだ」



「玲央・・・・・・」



結衣が困った顔になると玲央は頭に手を置き大きな溜息を吐いて天を仰いだ。



「まったく・・・・・・今でも自分の面倒を見られないんだな」


呆れたように言う玲央に結衣はカチンと来た。