結衣のいる場所から反対側の扉が開いた。


――は、離れなきゃ。


学校まではあと一駅。


だが足はガタガタ震えて人を押しのけて動く事が出来ない。



「結衣」


玲央の手が結衣の手を引っ張った。





玲央に電車を降ろされて駅のベンチに座らされていた。


「れ、玲央 駅はまだ――」


青ざめた顔で玲央に言った。


「具合が悪そうだぞ?」


――玲央はわたしが具合悪そうだと思って降ろしたんだ・・・・・・。


無関心だと思っていたのに・・・・・・嬉しさがこみ上げて来た。