ピンクのドット柄のビキニの上に白いパーカーとショートパンツを履いた結衣。


――恥ずかしくて絶対に脱げないよ・・・。



出発前に水着も必要だろうと母が買ってきた水着なのだ。



――今の今までポーチから出した事がなかったからこんな着た事もないビキニだとは知らなかった。ママったら何考えてんのっ。



「おまたせ~」



部屋で水着に着替えてきた聖羅が姿を現した。



薄い紫色のビキニのまま手にはタオルを持って堂々と立っている。



あまりにも堂々としているから少しのいやらしさもない姿だ。



「聖羅?結衣ちゃん、屋根を開けるから日焼けに気をつけてね?」



葉月が日焼け止めを呆気に取られている結衣に渡す。



「あ、ありがとうございます」



「ママー ランチも庭で食べられるようにしたいんだけど?」



「もちろん、そのように頼んであるわ」


「ありがとう ママ、大好きっ♪」


聖羅は母に抱きつくと頬にキスをした。



「結衣ちゃん、玲央が帰ってきたら行かせるから楽しんでいてね?」



「はい♪」



聖羅が結衣の手を引っ張って大きな窓に向かった。