「・・・・・・吹っ切れたようだな?」


しばらく車を黙って運転していた拓海がやっと言葉に出した。


「吹っ切れたのかな・・・・・・うん、吹っ切れたかもしれない」


以前、親友が自分の恋人とバイク事故を起こし2人とも亡くなった事に罪悪感があった。


事故の日、玲央と親友エンリックは恋人をめぐりケンカをしたからだ。



ケンカ別れをしたまま2人は手の届かない所へ行ってしまった。



それが玲央を落ち込ませていた。



「日本へ行って良かったな」


「日本は楽しいよ」


学校も悪くない。



「そうか?結衣ちゃんがいるからそう思うんじゃないのか?」


そう言われて玲央は言葉につまる。



「・・・・・・今の結衣は精神がもろくなっているんだ」