「ちょっとドライブしないか?」


父親の誘いに玲央が目を真ん丸くする。



「母さんとすればいいじゃないか」



「そうつれなくするなよ 玲央くん」


肩を組まれ玄関に向かう。



「あ!行って来るよ」


「はい いってらっしゃい」


いないと思っていた母親まで来ていて手を振っている。



拓海は右手には車のキーをジャラジャラさせて玄関の扉を開けた。



伸び盛りの玲央だがまだ拓海の身長までには5センチほど足りない。



出て行く2人の後姿を見て葉月は微笑んだ。