聖羅に腕を引っ張られるようにして廊下に向かう。


「結衣」



背後から呼ばれ結衣は振り向いた。



「そいつ寝相が悪いからな?」



「そんなことないですよ―――っだ」



聞いていた聖羅も振り返り、舌を玲央に突き出すと歩き出した。



「ォ、オヤスミナサイ」



結衣は急いで玲央に言うと聖羅に付いて行った。



「やっぱり一緒に寝たかったのか?」



「と、父さんっ!」



ぼんやり2人を見送っていると、いつの間にか拓海が後ろにいてにやにや笑っている。



「可愛くなったな 結衣ちゃん 信也の娘とは思えない」



腕を組み感慨深げに言う拓海だった。