「結衣はなんて言ったの?」


「返事はしませんでした」



玲央が肩をすくめる。



「・・・・・・良い考えかもしれないな」



顎に手を置いて考え深げに言ったのは信也だ。



――大好きなカメラを捨ててしまうほど心が傷ついた結衣は気分転換が必要だと思う。


そう考えた。



「そうね、結衣は大好きな玲央君と離れたくないのだろうし」


考えてみればその方が良いのかもしれない。



「両親も結衣に会いたがっていましたから行けば喜びます・・・・・・結衣を連れて行っても良いですか?」