多恵子は愛娘の悲痛な叫びに呆然と驚いていた。


玲央はベッドに結衣を横たわらせると薄い上掛けをかけた。



信也も我に返ると窓を閉めた。



「結衣・・・・・・なんて事を・・・・・・」



多恵子が唖然と呟く。



「それほど結衣の心が悲鳴を上げたってことだな・・・・・・」



結衣がカメラをとても大事にしていた事は知っていた。



それを壊すほど結衣の心が参ってしまったのだ。



そう思うと娘が可哀想で仕方なかった。