玲央はあの公園に行ってみた。


やっぱり結衣とちゃんと話したかったからだ。



広い公園の中を歩き回り、やっとベンチに座っている結衣を見つけた。



夏の暑い日差しの中、ポツンと座っている結衣は小さな子供ように見えた。



「結衣・・・・・・」



一瞬、ビクッとなった結衣はゆっくり振り返った。



その表情はいつも玲央がかばっていた頃の小さな結衣を思い出した。



「・・・・・・玲央」


「こんな所で何しているんだよ」


玲央は結衣の隣に腰を降ろした。


「・・・・・・考え事」


少しだけ玲央の方を見るとすぐに前を向いてしまう。


「考え事？」


「そうだよ　あたしにだって考える事はたっぷりあるんだもん」


少し頬が膨らむ。


――　一番は玲央の事だよ。


「ないなんて言っていないだろ？」