「神崎 玲央くんね お電話したサムウェイ編集長の相良です」


イスに座る前に名刺を玲央の目の前に置く。



玲央はちらっとしか名刺を見なかった。



それより結衣の事が聞きたくて仕方ない。



「どうぞ、かけてください」



玲央は目の前のイスを示して言った。



その姿に相良はフッと笑って腰を下ろした。



――外見よりもずっと落ち着いているのね。



眼鏡越しの茶色の混じったグリーンの瞳に見せられそうになる。