「玲央・・・・・・?」


抱きしめられていた腕はすぐに離され玲央は結衣の前を歩いた。


謝ってくれたのは嬉しいがどこか納得できない。


――あんなに冷たかったのに、急に変わるなんてなんか変だよ・・・・・・。


階段を降りる玲央の足が止まった。


「行かないの?」


振り向いて結衣に言う顔はやはり冷たく感じた。


「う、うん・・・・・・」


――抱きしめられても嬉しくない。なんとなく違和感のある玲央の態度・・・・・・。


ダイニングルームに着くまで探るような視線で玲央の背中を見つめていた。