携帯電話をしまうと結衣はいつものパン屋さんに行ってみた。


「あ!いた♪」


ガラス越しに玲央がレジでお金を払っているのが見えた。


店員のおばちゃんはいつもより愛想が良く笑っている。



――いつもは愛想がないおばちゃんなのに。



老若男女、玲央は惹きつける力がある。


――やっぱり、ご両親譲りなのかな・・・・・・。



そう考えていると店の自動ドアが開いた。


「結衣」


バケットを持っている姿も様になっている。