気にしないように歩き始めた時、背後から腕が回った。



――えっ・・・・・・?


玲央に背後から抱きしめられていた。



結衣の心臓がトクンと音をたてた。



「れ、玲央?」


声が上ずる。


無理に腕を引き剥がそうなんて思いもしなかった。


玲央の息が耳元をかすめる。


「さっきはごめん・・・・・・」


玲央のすまなそうな声が聞こえた。