* * * * * *


「結衣、大丈夫か?」


お化け屋敷から出てすぐのベンチに結衣はぐったり座った。



「怖かった――」



さっきよりも更に声が掠れている。



手には嫌な汗をかき、心臓がまだバクバクしている。


玲央のTシャツの裾は結衣がぎゅっと握っていたせいでそこだけ皺が寄っている。



「おばけ嫌い・・・・・・」



――子供の頃から苦手なのは変わらないな。可哀想な事をしたかも。



玲央は疲れきった結衣の顔を見て思った。



「ごめんな?そんなに怖がるとは思わなかったんだ」