――気のせい　気のせい　暑いのは夏だからだよ。


肩を抱かれていやおうなしに歩かされてしまう。



「ここに入ろう」



並んだ列の後ろに立ち前方を見てみれば怖いのが有名なお化け屋敷だった。



「玲央！だ、だめっ！あたしお化け苦手なんだからっ！」



思いっきり首を横に振り離れようとした。



だが玲央の腕は結衣を掴んでいて動けなかった。



「お化けが驚くくらい思いっきり叫んで抱きついてもいいぞ？」



「玲央・・・・・・」



その時、お化け屋敷の係りの男性に呼ばれ結衣は逃げるのをあきらめた。