「・・・・・・リュウ」


手すりを背にしてじっとこちらを見ている。



にこりともしないリュウが怖くてその場に佇んでいた。



「結衣」



動かない結衣にリュウは困った表情になって呼ぶと近づいた。



「・・・・・・呼び出してごめんな」



なんとなく怒っている気がしていたからそう言われて結衣はびっくりした。



「ううん・・・・・・」



「座って話さないか」


屋上に設置してあるベンチを見て言う。



ベンチは陰になっていてちょうど良さそうだ。