シャワーをたっぷり浴びてさっぱりすると冷蔵庫を開けた。



信也のビールが目に付く。



玲央は缶ビールを手にして冷蔵庫を閉めた。



プルトップを開けると小気味良い音がして泡をのぞかせた。



ゴクッと喉を鳴らして一口飲む。



ダイニングテーブルに寄りかかりその時間を楽しむ。



――日本へ来て徐々にイギリスの生活を思い出さなくなってきた。



その分、気が楽になっていた。



だが、ふと親友の顔を思い出す。



その途端、辛そうな表情になった。



深い溜息を吐いて、缶ビールを一気に飲み干した。