「そんなことないよね?」



――でも、でも・・・・・・ありえるかも。



結衣はカバンを手にして少し離れたB組に向かった。







「好きなの!神崎くんっ!」



B組の戸口に立った結衣はその声にぎくっとして足を止めた。



――玲央、告られてる・・・・・・?



玲央の姿も声も結衣には見えなくて声も聞こえない。



「どうしてっ!?彼女いないんでしょ?もしかしてD組の古賀さんと付き合っているって本当なの?」



結衣は勇気を出してこっそり教室の中を覗いた。