「玲央、7年ぶりに会ったんだから顔ぐらいちゃんと見せてよっ!」


すぐに向こうを向いてしまった玲央に結衣は言った。


そう言ったものの、玲央の反応はない。


CDやら本をダンボールから出して本棚に入れている。


「玲央っ!」


嬉し恥ずかしのドキドキしていた心臓だが、今度は不安なドキドキを打っている。


――どうしてこっちを向いてくれないの?


結衣は一歩踏み出してダンボールと玲央の間に立った。