玲央は笑っていなかった。


「玲・・・央・・・・・・」


10歳の頃の可愛い面影はなかった。



結衣が見上げるくらい背が高くなり、銀縁の知的なメガネをかけてまるで知らない少年。



髪の色は記憶どおり・・・・・・だが、表情はメガネのせいなのか冷たく感じた。


結衣を見ても表情は変わらずで、顔は本棚へと向いてしまった。



「玲央、どうして・・・・・・」


その後が出てこなかった。


まさかこんな風な再会になるとは思っても見なかった。


玲央も結衣に会うのを喜んでくれると思っていたのだ。