「あそこへ行かないか?」



玲央が離れた場所にある四角いスペースで赤い屋根のあるベンチを示した。



「あそこまでならそんなに濡れないし、小降りになったら帰ろう」



玲央の腕が結衣の肩に回り引き寄せた。



有無も言えないまま結衣は玲央に抱えられるようにして走っていた。