階段を上がってすぐが結衣の部屋。


その奥が玲央の部屋。


結衣はドキドキしながら玲央の部屋のドアをノックした。





「どうぞ」


中から思ったより低い声が聞こえてきた。


結衣の心臓はまるで外に聞こえるくらい大きく鼓動する。


ドアのノブに手をかける。


「玲央っ!」


名前を呼びながら入ると玲央は窓際の本棚の前に立ち、首だけ振り向いた状態だった。


手には片付けている最中なのかCDを数枚持っている。


部屋に入った結衣の笑顔が消える。