「うん 忙しくてすっかり忘れていたの もうすぐ締め切りで・・・・・・」


結衣は雑誌を丸めて溜息を吐いた。



珠代はそんな結衣を見て偉いなといつも思っている。



父親は有名な写真家。



親の七光りでデビューする事は簡単なのにと。



親の力を借りない結衣だが、目に入れても痛くないほどの結衣を甘やかさない両親もすごいなと思っていた。



――まあ、世の中甘くないってことかな・・・・・・。