「玲央、もう帰ろう?」



「疲れた?」



玲央の顔が心配の表情に変わる。



「う、うん」



「昨日まで熱があったからな 荷物貸せよ」



手を差し出して今まで結衣が持っていた袋を持ってくれようとする。



「え?良いよ これくらい軽いから」



「良いって」



――玲央、心配してくれているんだ・・・・・・。



結衣の返事を待たずに袋を取り上げると片方の手で結衣の手を握り、駅に向かった。