結衣は龍吾の髪の色を見るといつも玲央を思い出してしまう。


玲央の髪は色素の薄い茶色の髪で日の光の下では金髪に見えなくもない。



瞳はグリーンと茶色が混ざったような複雑な色。



龍吾の染めた金髪とは雲泥の差があるが、なぜか思い出してしまうのだ。



「玲央はわたしの大好きな人なの♪」


龍吾の気持ちを知ってか知らずか結衣がにっこり笑って言うと、花柄のピンクのポーチを持って教室から出て行った。



そこに残るのはうなだれた龍吾とそれ見たことかと言いそうな珠代だった。