書店に入っても玲央の手は離されなかったからいつの間にか結衣は洋書のコーナーに来ていた。



――全然わからないし・・・・・・。



玲央が探している横で結衣はきょろきょろと辺りを見渡してギョッとなった。



――ここにいる人ってみんな日本人じゃないじゃんっ。



玲央は空いている手を伸ばして本を抜いてパラパラとめくっている。



夢中になっているようで結衣が傍にいることや手をつないでいる事を忘れているみたいだった。



――たしか、1階に雑誌コーナーがあったよね。



「玲央、あたし1階にいるから ゆっくり探してていいよ」



「え?あ、ああ」



結衣はするっと玲央の手から手を引き抜くとエスカレーターに向かった。