「ほら、首に手をかけろよ」


おぶされと言っている。


「・・・・・・大丈夫だよ」


元気のない声が返ってきた。


――1人でも大変なのにおぶさったらかなりきついに違いない。


「つべこべ言わずに早く乗れよ そんな状態じゃ無理だろ?ここにいる誰が連れ帰ってくれるって言うんだよ」



イラッとした声が頭に降ってきた。



結衣は唇を噛むと玲央の背中に身体を預けた。



その時、周りで黄色い声が聞こえた。



――ファンクラブもう出来てるじゃん・・・・・・。