玲央は女子生徒を振り切るように足早に結衣に近づいた。


「結衣っ!」


目の前に立つ玲央を見て珠代は安堵の表情になった。



「どうしたんだ!?」



「やっぱり体調が悪かったみたいで・・・・・・」



玲央がひざまずいて結衣の額に手を置く。



――熱がある。


「・・・・・・玲央?」


結衣が目を開けて玲央を見る。



「バカだな 具合が悪いんだったバスに残っていれば良かったのに」



そう言って玲央は結衣に背中を向けた。