「おはよう パパ、ママ」


「おはよう 結衣 玲央くん」


ちょうどテーブルに目玉焼きのお皿を置いた多恵子が言った。



「遠足なんか行って大丈夫なのか?」


結衣の格好を見て信也が怪訝そうな顔をした。


「熱はないよ?」


結衣がカバンとカメラバックを下におきながら言う。


「測ってみなさい 多恵子、体温計」


信也が言うと多恵子がやれやれと言った感じで救急箱から体温計を取り出してきた。