で、どうやらパラレルワールドに迷い込んだらしい。

そこら辺を闊歩しているのは、人間じゃなくて…ウサギ。
いや、…ウサ耳付けた人々。

なんだ、コレ。

思わず木村サンをゆすり起こしたら、
「*☆@¥!!?」
と、意味不明な声を出されてしまった。

「何、この世界。ふざけてるワケ…?」
木村サンの目が、すっ、と細くなり、殺し屋の目に変わる。
「し、知らない」
声が震えた。

頼りにならない男、とは、オレを指すのだろうか。
それもまた、悲しい。

が、木村サンの目は、明らか殺し屋で、しかも全身から殺気が溢れ出していた。
どう考えても、オレよりかは頼りになりそうで。

悔しさもひとしお、
でも、前を向き、ポジティブに最重要案件を確認する。

(一体、何処に迷い込んだのか)
しかし、考えれば考えるほど、科学的見解が出てきて、しかもそれが全くアテにならない。
だって、今の状況的に見て、科学的現象ではないだろうから。

「ねえ、アンタ的には、この状況、どーやって見てる?」
不機嫌極まりない顔で問い詰められ、半歩下がる。
「まあ、科学的にはあり得ないよね」
「〜〜〜〜〜〜〜!」
どうやら、非常に怒らせてしまったらしい。

「あのぅ…」
「ンだコラ!」
「はひィ!」