コレなんか、食べられそう。

アタシが呟いた一言によって、そのオレンジに似た果物を食べることに。

「あ、コレは…」
「か、辛い!!」
「何で、こんなに〜!」
アタシと鈴鹿は、果物を放り出して、走り出した。

暫く走り、辛みも落ち着いたので、アタシたちは再び何か探す。

次に、鈴鹿がハバネロっぽいシロモノを持ってきた。

「コレ、甘いんだけど」
はい?
「甘いよ。食べてみたら?」
そう言って、モロにハバネロを差し出してくる。
ご厚意に甘えて、シャクリ、と噛んでみると。
「ホントだ」
すごく甘い。
アタシは嬉しくなり、あっという間に食べ終えてしまった。

クスッ、と声がしたから、上を向けば、立って食べてた鈴鹿が、笑っていた。

「なに」
「いや、スッゴク美味しそうに食べるから…」

不思議と、悪い気持ちはしなかった。