走って走って走って。

ようやく立ち止まったのは、小川の畔だった。
さほど息の乱れていない木村さんとゴスロリを見て、度肝を抜かれる。
毎日体力作りをしているオレはともかく。
木村さんは?
ゴスロリは、男だな、と実感した。

「ありがと、キミ達」

ゴスロリがお礼を言ってきた。

「どうも。…それにしても、立派な変装だな」

ゴスロリの顔が、ふっ、と歪む。

…あ。

「いいさ、どうせ趣味だから」

髪を掻き上げると、

「あ、ヅラか」

パッツンロングの髪の毛はやはり、ヅラだったw
その黒髪の下から現われたのはブロンド。

「うわぁ、勿体ね〜…」