なんだって!?
あのゴスロリが男…?
有り得ないッ!!

…オレ、超驚いた。

「バレたらしょうがないのかもな」

ゴスロリが立ち上がった。
同時に、パラリと縄が解ける。
…どうやったんだ?
隣の木村さんは、したり顔で頷いている。

「縄脱けの心得があるんだな」
「そうよ、頑張って練習したんだから♪」

ゴスロリは、
あぁ、きっと詰め物で作った胸を張る。
あれがリアルだったらスゴく…
いけね、自重自重ッ!!

「とにかく…ゴスロリ、逃げるぞッ!!」

木村さんが叫んだ。

「了解」

ゴスロリが全速力で、その場の何もかもを放置して走ってきた。
ウサ耳達は茫然とするばかり。

「急げ、バカ者!!」

グイ、っと木村さんが手を引っ張った。

「うわぁ、ちょっと待てよ、腕が千切れるッ!!」