不機嫌マーマレード

ベッドの中で二人、事果てた後のまどろみは心地いい。心地いいのはきっと彼だけ。


私はまだ・・・・・。


彼の左肩に頭を置いて、首に腕を回す。


少しでも触れていたくて。


圭吾は私の気持ちなんて何も考えていないかのようにたわいもないおしゃべりを始める。あのお店のこのメニューが美味しいから今度食べに行こうとか、ドライブに行くならあの場所がいいよねとか。そんなのどうでもいい。


圭吾の側は気持ちよくて。


圭吾の匂いが好きで。


このまま時が止まってくれればいいのにと思うけれど、残酷にも時は過ぎる。


日付が変わった頃、彼がチラリと携帯の画面を見やる。ビジネスマンなのに時計を好まない彼は、いつも時間を携帯で確認する。時を表示する携帯なんて壊してしまいたい。