私は念入りにアクセサリーも選び、いつもとは違うバッグを持つ。


そんな私を扉の隙間から一樹が見ていたのを気づくことも無く。




二人で同時に家を出る。


途中までの道を一樹と歩く。


怪訝そうな顔で「圭吾さんに会うの?」と聞く。


圭吾のことになるといつも一樹は眉間に皺を寄せて嫌そうにする。


「かずはどうして圭吾のことが嫌いなの?」


思い切って聞いてみた。


一樹は何も言わない。