その通話の内容は、やはり悠美から危害を加えられたことをしめしている。

自分の彼女を止めることが出来なかったおのれを責めて胸が痛んだ。

しかしその痛みは、次の瞬間、奇妙な胸騒ぎに変わった。


『お凛さんに頼んだの』



(なんだって?)


一瞬耳を疑った琢己は、そのままの言葉をようやく口にした。


『だから、お凛さん。知ってるでしょ?』

「もしかしてそれって……」

『さっき……頼んじゃった。ごめんね』

「そんなもの──」


(伝説だろ?)


と、問いかける前に、そのまま通話は途絶えてしまったのだ。




(だとしたら、呪いをかけたのは昨夜のはずだ)