ダーク&ノイズ

さすがに誰しもその案には反対したが、真知子は頑として意見を変える気はないようだ。

「正当防衛じゃん。殺らなきゃ殺られるんだよ」

「アタシらはパス。絶対無理だし」

夏美はそう言って席を立った。これ以上付き合ってられないと店を出てゆく。その夏美に真知子が罵声を浴びせた。

「アンタはいいよね、どうせ他人ごとなんだろ!」

それでも振り返らずに姿を消した夏美から視線を戻すと、今度は悠美を睨みつけた。殺気立った真知子の顔は、それだけで人を殺してしまいそうなほど狂気をはらんでいる。

「悠美はどうすんの?」

そう聞かれて悠美は口を閉ざした。否定しようと思ったが、その形相が心胆を怖じさせたのだ。

「どうすんのって聞いてんだよ」

答えを聞かなければこの場を去ることを許さないという意志が、そこからは汲み取れた。

「どうって……」

その重い口をわずかに開いたその時だった。




コオーン……



一斉に身をすくめる三人。


(──えっ!)


いや、三人だけではなかった。迫り来る悪寒が悠美の背筋をも這う。

(なんで!?)

その事実に悠美の目の前が暗くなった。だが、それは目の錯覚ではない。事実、色とりどりに飾られた店内の装飾がその色を失くし始めていた。

忍び寄る闇。それは音とともに悠美たちを取り巻いてゆく。



コオーン……