ダーク&ノイズ

あの中に居るとすれば最後に近くにいた人間が最もクロに近い。それは──

「藤崎夏美……ですね」

「それしか考えられんだろう」

「じゃあ、任意で事情を聞きますか」

「いや、まだまだ。動機が分からん」

事件というものは動機がなければ発生しない。それは川田の持論だった。

「聞き込みしてみるか」

「そうですね」

「ちょっと止めてくれ」

川田の指示で車を歩道に寄せて停めると、進藤は促すように川田を見る。その進藤を見返す川田は眉をしかめていた。

「バカ、お前が行くんだよ。俺は女子高生は苦手なんだよ」

上司の身勝手に口をへの字に曲げて抵抗を見せた進藤だったが、無駄だと分かると仕方なくドアを開けて外に出て行った。