ダーク&ノイズ

他の三人は憑き物が落ちたように周囲を見回して戸惑っていた。

「あれ?」

「見えた。なんで?」

「さっきの声、誰?」

その中で黙して口を開かない悠美に、真知子が詰め寄った。

「何があったの?」

「知らない! アタシ、何にも分からない」

得体の知れないモノがさらって行ったなどと、口に出来るわけは無い。ましてやそれが自分のせいなどと──


結局その日、希里の姿は見つからなかった。夜遅くまで自宅に電話をしても見たが、帰ってくることは無かった。