ダーク&ノイズ

幹線道路では車の多重衝突が起き、繁華街では絶叫が黒い空に満ちる。

誰もが闇に包まれ、自分の指一本確認することができない。


そして



コオーン……



その音だけが耳底をあやしく響かせた。


「なんであたしが!」
「誰か、だれかいますか!」
「きゃあああ!」

闇の範囲は、その街のほとんどを覆った。

もはや呪いが単なるデマかどうかなど疑う余地はない。



登山口から神社へ向かっていた捜査員らも、一斉に冷水を浴びたようにその場で凍りついていた。

「動くな、全員動くな!」

内田はとっさにそう叫んだが、誰にもその声は届かない。自身の声さえ遠いもののように感じていた。

(まさか、俺は呪われたのか……)

絶望が頭を覆ってゆく。

死というものに直面して初めて、内田は連続した殺人事件が、起こるべくして起こったことを理解した。

それはすぐ隣にいる宇野も同じ思いだった。