ダーク&ノイズ

「ほう、警察にしてはいい判断だ」

「報道規制ってやつですか」

「おそらく」


これを佐々木は待っていたのだろうか。いや、それでどうなるものでもないだろう。

その証拠に佐々木は、動じる事無くコーヒーをおかわりした。


悠美は、不安の色を濃くしていた。

自分が呪いを封じる鍵になると佐々木は言ったが、自分のなにが鍵になるのか、まったく見当がつかない。

「あたしは、役に立つんですか」

言いにくいことだが、悠美はおずおずと聞いた。

「役に立つというより、必要不可欠なものだ」

「あたしはどうしたら良いんですか。一緒にいるだけで良いんですか」

佐々木は注いできたばかりのコーヒーを一口飲むと、おもむろに話を始めた。


「呪いというのは、人を恨む念が浄化されずに残ったもの。つまり悪霊が、生きた人間の邪悪な念に反応して、害をなすものだ。

害というのは、呪いをかけられた人間の魂を、冥界の闇に引きずり込み、自分たちの仲間にしてしまうということを指す。

だが、悪霊といってもそれほどの力があるわけではない。

そこに生きた人間の怨念の力を借りて、事故などを起こしてその魂を奪うのだが、その力が強力であれば、肉体ごと冥界へ引きずり込むこともある」

琢己はそこまで聞いて顔色を変えた。

「じゃあ、それだけ悠美の怨念が強いってことですか」

「いや」

佐々木はそれを否定した。