ダーク&ノイズ

プレス室は多数の記者でごったがえしていた。

しかしそんな記者らも、何を主題に据えるのか、その選択肢に頭を抱えるほどだった。

何しろ次々に発生している事件に、ノートに書きこむ手が止まらない。


それでもひとつだけ確認しておきたいのは、

『呪いは本当にあるのか』

ということだろう。


その論議を記者の間で交わしている時に、警官の目の前で呪われていたと思われる少女が忽然と消えたというのだ。


もちろんそれは公式に発表されたわけではない。


だが、多数の目撃者の証言を集めた結果、そのようなことが起きたのは、ほぼ事実ではないかと報道されたのだ。

それが事実であれば、空前絶後の怪奇現象事件となる。


しかし、熱くなった記者らに伝えられた内容は、なんと報道規制を行うというものだった。

警視庁から来た内田は、宇野から話の内容を聞くと、すぐさま手を打った。

呪いうんぬんより、殺人を助長する危険な噂だと判断したからだ。



現実に、報道が始まってからこれまで、110番通報にいとまがない。

そのどれもが人命に関わりのあるものだ。

その数はすでに、この街の年間重大犯罪数を軽く突破していた。