ダーク&ノイズ

ついさきほど、警視庁から連絡が入った。

まもなくキャリア組が多数乗り込んでくることになる。その中で、こんな報告をすれば、下手をすれば自分の首が飛んでしまうだろう。

宇野が到着した報告を受けると、まっさきに呼びつけた。


その宇野の姿を見た小金井は、開口一番

「何をしてるんだ!」

と、一喝した。


対する宇野は、もはや憔悴しきったという風貌を見せている。

いつもなら気迫をみなぎらせる男が、むしろ何もかも投げ出したという風にも見えた。

「何って……私にもわからない事だらけなんですよ」

多少怒りを込めた口調には、小金井への怒りというより、自分自身のふがいなさへの怒りを含んでいる。


やや間をおいて、小金井も感情の温度を下げた。

「察庁(警視庁)からキャリアが来る。どう言い訳するか考えとかなきゃならん」

「署長……わたしは事実起こった現象のみ報告しますが、それを信じるかどうかは向こうさん次第です」

「パトカーの中で女子高生が消えたと、それを信じろと?」

「でも事実です」

「宇野、薬物検査を受けることになるぞ」

「キャリアの連中も受けることになるでしょうね」

宇野は悪びれずうそぶくと、小金井にことのあらましを説明した。

説明しながら、宇野にはこれが夢のような気がしてきた。自分の目で見てきたにも関わらず、あまりにも現実感のない話だ。