あと二週間ほどで始まる夏休みに、女子高の教室は浮き足立っていた。


昼休みになると、グループごとに集まっては夏休みの計画を話し合っていた。


つい先日までは、この地域を襲った大きな地震の話題ばかりだったが、復旧も進み、ひと段落すると、目の前に迫ったイベントに興味は集中した。


そんな中にあって、悠美も例外なく仲の良い連中と泊まりの計画を話し合っていた。


「ねえねえ、高崎君に頼んで男友達連れてきてもらおっか?」

「えー、それなら悠美に頼んで吉野君の友達にしてよ。北高のほうがレベル高いじゃん」

「なんでよ。正樹のダチにホストしてる人もいるのに」

「マジで、じゃあそっちで!」


ホストという言葉に真っ先に反応したのはのぞみだ。

脱色しすぎてパサパサに痛んだ髪を指に巻きつけながら身を乗り出した。


どうやら真知子の彼氏を連れて行くことに賛成のようだ。